田中真弓:
『ONE PIECE』は、母親と息子の関係性をあえて希薄にしている部分がありますよね。 どのキャラクターも、母親は少しだけ登場して、そして死んでしまうことが多い。
尾田栄一郎さんに最近、『ルフィのお母さんって、実はどういう人なのですか。 描かないんですか』と尋ねたことがあったんです。そうすると、『僕は、冒険を描きたいんです。少年は、母親から離れるから冒険が出来る。 冒険の対義語は、母親ですから』とおっしゃられたことがあった。きっと、『ONE PIECE』を生みだす上でそこは譲れない部分なんだと思う。
冨樫:
僕が今まで描いてきた漫画は、主人公も含めてみんな片親だったり、色んな家庭環境のキャラクターが多いんですよね。僕自身はいまだに両親も健在だし、よくある家庭環境でしたけど(笑)。でも、漫画を描いてみたらそういう家庭環境になりますね。
特に主人公とか、長く描いていくだろうなってキャラクターは全部、そんな感じです。 まあ、元々、漫画の中に親とかは邪魔だと思っているんですよね。
基本的に漫画における親っていうのは、主人公がやることを反対する立場の人間ですから。 例えば「HUNTER×HUNTER」の主人公のゴンは、現実世界では小学生高学年ぐらいです。もし彼にきちんとした親がいるとすると、自分の子供を危険な旅に出させるわけがないな、とか考え出すと、 本当にもう親って邪魔だなと(笑)。
ドラゴンボールのチチとかまさにそれやな
出典:ドラゴンボール 鳥山明 集英社
そういうことやで