本作は『ジョジョの奇妙な冒険』から派生したスピンオフシリーズ。第4部に登場する漫画家・岸辺露伴を中心にエピソードが展開していく作品である。1997年に『週刊少年ジャンプ』に掲載された「懺悔室」を初回として、2018年の「ザ・ラン」までの9話を集めた単行本2冊、さらには各著者が寄稿した『岸辺露伴は叫ばない』『岸辺露伴は戯れない』の2作が短編小説集として刊行されている。今回、実写化されるのは「富豪村」と「D・N・A」、北國ばらっどによる小説「くしゃがら」の3エピソード。生粋のジョジョファンとして知られて、インタビューでは敬意を込めて“露伴ちゃん”と呼ぶ高橋一生を主演に、脚本はアニメシリーズのシリーズ構成を手がけてきた小林靖子という豪華布陣だ。
ほかにもノベライズ作品として描かれているキャラクターはいるものの、ここまで長年にわたって幾度もエピソードが紡がれている人物は露伴しかいないだろう。それも、空条承太郎や東方仗助のような主人公でないにも関わらずである。それでは露伴が愛される魅力とは一体どこにあるのだろうか。
※以下、ネタバレあり
「岸辺露伴は、その不気味さとか、不穏さの表れみたいなものですね」
(『JOJOmenon』荒木飛呂彦インタビューより)
『ジョジョの奇妙な冒険 第4部 ダイヤモンドは砕けない』( 総集編 Vol.1)
第4部は荒木の地元である宮城県仙台市をモデルに、架空の町・杜王町を舞台としている。荒木が描きたかったのが、どこから来た人がここに住んでいるだろうという、地方都市ならではの不気味な感覚。それは第4部のボスとして登場する吉良吉影にも通底しており、露伴で言うならば彼が初登場する「漫画家のうちへ遊びに行こう」のエピソードが最も分かりやすいだろう。
16歳で漫画家デビューした、20歳(初登場時)の露伴。杜王町に越してきて3カ月という彼は、家に訪ねてきた広瀬康一と間田敏和に「東京は便利だけど、ごちゃごちゃしてるよね。とても杜王町のような清々しい環境では仕事ができないよ」と話している。
アシスタントも付けず、たった一人で人気作「ピンクダークの少年」を連載している露伴は、人間関係が嫌で漫画家という職業を選んだ。康一曰く、その作風はサスペンスホラーで性的に気色の悪い描写も存在するが、迫ってくるようなスリルと本当にいるような登場人物が魅力とのこと。
「『リアリティ』だよ! リアリティこそが作品に生命を吹き込むエネルギーであり『リアリティ』こそがエンターテインメントなのさ。『マンガ』とは想像や空想で描かれていると思われがちだが実は違う! 自分の見た事や体験した事、感動した事を描いてこそおもしろくなるんだ!」
全文はソース元で
https://news.yahoo.co.jp/articles/0892c7372178cc5b936976b6725fe7ce85f2b3cc
自分の家がジャンジャン燃えても意に介さず勝負にこだわるあたりが最高に好き