「チェンソーマン」の新しさを考える上で、絶対に外せないのが暴力的描写だ。作者・藤本タツキはその個性を物語の冒頭から惜しみなく披露していた。第1話では主人公・デンジがチェンソーの悪魔・ポチタと契約し、デビルハンターとして働いていることが明かされる。そしてある日、ゾンビの悪魔が仕掛けた罠によってバラバラ死体にされてしまうのだが、ポチタとの融合で復活を果たし、チェンソーで敵を切り刻んでいく。
紙面では人体が次々と欠損し、勢いよく吹き飛んでいく様が展開。1ページあたりの流血量も半端ではなく、ハードなグロテスク描写に満ちている。表現規制が厳しくなっている昨今において、連載開始早々にこのような展開を盛り込むのはかなり挑戦的だと言えるだろう。
さらに第1話では、もう1つの斬新な設定を読み取ることができる。それは他でもないデンジの設定だ。一般的に漫画の主人公は、誰もが共感できる人物像を目指すことが多い。しかしデンジの場合は、父親が残した借金を返済するためヤクザの使いっぱしりをしているどん底のマイナス地点からのスタート。まともな教育はおろか、日々の食事すらまともに食べられず、借金の返済に明け暮れている。これほどまでに闇の深い設定は、数あるジャンプ作品の中でも異色としか言いようがない。
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