概要
女子高生になる前と、なった後と、それから。そんな二人の夏の断片。
安達としまむら、二十二歳。
私は今、真っ赤になった安達の右足を掴んで眺めていた。
次はどこにキスするのがいいかな。
なんでこんなことになってるんだっけ。
夏の暑さで常識が脱水症状を起こしてるのかもしれない。
……あ、旅行の計画を立てるはずだったんだ。
「ところで、安達は旅行楽しみ?」
「ほほふぇ? りょほー?」
小学生、中学生、高校生。夏は毎年違う顔を見せる。
こうして同じ人と、同じ時間を、二人で過ごしていたとしても。
そんな、夏を巡る二人のお話。