「引き抜き」より「新人の新連載」を重視
――「新しく立ち上げた作品でヒットを飛ばす」ことが編集者の評価に関わるとしても、「ジャンプ」では他誌と比べて作家の引き抜きが少なく、「自前の新人で大ヒットを作る」ことに編集者の意識が向いている印象があります。でもある程度育った作家と組んだ方が普通に考えると作りやすいですよね? 新人育成には手間もお金もかかるわけですから。
籾山 ありがたいことに「ジャンプ」に来てくれる新人は「マンガ家になりたい」じゃなくて「ジャンプで連載したい」と思ってくれている作家が多いんです。ロールモデルが『ONE PIECE』『DRAGON BALL』『NARUTO-ナルト-』『鬼滅の刃』のような国民的、ないしは世界的なヒットになっている。
そういう志の大きい新人と「とりあえずデビューしたい」という描き手とは、粘りと伸びしろが違います。それを考えると、最初から「ジャンプ」を目指して来てくれた才能の原石を二人三脚で育てていくほうが、よそから作家を引き抜くよりも可能性が高いとうちの編集部員たちは考えているんじゃないでしょうか。
齊藤 他誌の編集者の話などを聞いても、よそで活躍している作家さんと作品をつくるほうがむしろ時間がかかる印象があります。そもそも描いてもらえるようになるまで数年かかったりする。それに加えて、その媒体に合わせて作家さんに方向性をすり合わせてもらうとなると、さらに時間がかかる。だったら最初から新人と組んだほうがむしろ効率がいいというのが現場の感覚です。
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https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81464?page=5、
正しいわ