●格闘マンガの常識と戦う格闘マンガ:『グラップラー刃牙』(著:板垣恵介/秋田書店)
主人公の範馬刃牙は、高校生ながら地下闘技場の最年少チャンピオンという格闘の天才。しかし、そんな刃牙の前には大きな壁があります。それが、地上最強の格闘家であり、父でもある範馬勇次郎。勇次郎は単身素手でアメリカ大統領の元までたどり着ける強者で……歩きながら顔で分厚いガラスを割る、ちゃぶ台を指で引きちぎる、人間の体に手刀をめり込ませるという、表現すればするほどわからない強さを持っています。
●格闘愛が凝縮:『TOUGH』(著:猿渡哲也/集英社)
主人公のキー坊こと宮沢熹一は、父の宮沢静虎から灘神影流を受け継いだ格闘の申し子。病気である父を治すため、闇の格闘大会に出場しファイトマネーを稼いでいましたが、より強い敵と戦うため『ハイパーバトル』という大会に出場し、世界の猛者たちと戦います。
この『TOUGH』の魅力は何といってもリアルな格闘描写。打撃から寝技まで緻密にテンポよく描かれるバトルシーンは、まるで実写を見ているかのようなドキドキ感! また実在している格闘家たちをモデルにしたキャラも多く登場し、猿渡哲也先生の格闘愛がズシンと響く骨太な作品です。
●強くなる以外に生き残る道なし:『軍鶏』(原作:橋本以蔵 画・たなか亜希夫/講談社)
主人公・成嶋リョウが両親を殺害し少年院に入るところから物語が始まるという、なかなか他にない設定のマンガです。気弱でひ弱なリョウは、少年院でイジメの対称にされますが、ここで出会った教官から空手を習い、強さとともに自分が世界で生き残る術を模索していきます。
その後、少年院を出た後も裏社会で暴力に明け暮れる日々を送ったり、格闘大会に出場したりと、とにかく戦いのなかで勝つことでしか生き残れない場所へと自分を追い込んでいくリョウ。ダークな展開にどんどん引き込まれる格闘マンガです。
●いじめられっ子からファイターへ:『はじめの一歩』著:森川ジョージ/講談社)
いじめられっ子だった幕之内一歩が、鷹村守との出会いをキッカケにボクシングを始め、実家の釣り船屋で鍛えられた足腰の強さや日々積み重ねた練習によって、日本屈指のパワーファイターへと成長する物語です。
選手それぞれのエピソードももちろん面白いのですが、『はじめの一歩』といえば、誰もが一度はマネしたことがあるに違いない一歩の得意技「デンプシーロール」でしょう。上半身を、横にした8の字を描くように動かし、相手のパンチをかわして突進する迫力満点の大技です。他にも伊達英二が放つ「ハートブレイクショット」、木村達也の「ドラゴンフィッシュブロー」など、読者をワクワクさせる技が満載です。
●強さと繊細さの融合:『ホーリーランド』(著:森恒二/白泉社)
不良たちのストリートファイトが舞台となった格闘マンガで、いじめられっ子だった主人公・神代ユウは、ボクシングの本からワン・ツーのパンチを独学で練習し、「ヤンキー狩り」と呼ばれるほど強くなります。
繊細な性格の主人公が、どんどん戦いに巻き込まれる事態に翻弄されながらも、そこに生きている実感を見いだす様子に、読む方もどんどん引き込まれます。
●最強の格闘技は何か:『喧嘩稼業』(著:木多康昭/講談社)
空手、柔道、キックボクシング、合気道、古武術など、ありとあらゆる格闘技がルールなしで戦ったらどれが一番強いのか? それを決めるトーナメントに主人公・佐藤十兵衛が挑む物語です。
それぞれの格闘家が自分の技と看板を背負い戦う姿が、ストーリーシーン、バトルシーンともにかなり熱いです。そんな猛者たち相手に十兵衛が、勝つためなら何でもする頭を使った喧嘩術で挑むところも読んでいてワクワクさせられます。また、この『喧嘩稼業』では「煉獄」という技も大きなみどころのひとつです。基本の型をパターン化して連続して撃ち込むことで相手に反撃する隙を一切与えず、体力が続く限り攻撃が続く最強の技です。
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修羅の門や餓狼伝、拳児辺りか